課題解決に向け、「生きる力」を育むための生活体験、社会体験、自然体験の機会を増やすことの必要性が叫ばれており、 とりわけ『キャンプ』、『野外活動』などによる教育効果に期待が寄せられています。
　キャンプでは、何かにチャレンジしたり、仲間を励ましたり、時には我慢したりといった場面が用意されており、心の中に自尊感情や自己効力感、達成意欲、道徳心などが育まれます。 また集団や仲間同士でのキャンプ生活では、自分と異なる意見の人たちと一緒に行動することや、話し合いをして何かを決めることなど、個人のコミュニケーション能力、人間関係力を向上させます。 海や川で遊んだり、大きな樹木に直接触れたり、里山や地域での暮らしそのものを体験するなどでは、環境意識や自然認識力が養われます。 また、「どうすれば暑さや寒さをしのげるのか」、「どうすれば今あるもので火を起こせるのか」、「屋外で過ごすことを経験する」など防災意識の醸成も図られます。

その結果、小さい頃から動植物と触れ合ったり、家事手伝いなどの体験を多くしている子ほど読書量も多く、テレビゲームなどの遊びが少なく、 また、けんかした友だちを仲直りさせることができるなど人間関係能力が高く、何にでもチャレンジしてみたいと意欲的な傾向にあることがわかっています。 また家事手伝いをよくしていた子ほど、自分を大切にする意識が高いという特徴が出ており、 成人になってもやる気や生きがいを持っている人が多く、人間関係能力や教養が高いという結果になりました。
　一方、対人関係が希薄で異年齢や異世代との交流がないこと、自然体験・生活体験等の直接体験が不足していること、 また、基本的な生活習慣が身についていないために学習意欲が低く、コミュニケーション能力も低下していることなどが課題とされています。